アサギマダラと言う蝶が、風に乗 って何千キロも旅をする事をご存 じですか。初夏に、遠く南西諸島 から北上し、国東半島北部の姫島 を中継地として、これより更に福 島、宮城県当たりまで北上する。 秋には、再び南西諸島を目指して 南下します。東大医学部付属病院 の、栗田昌裕医師は、この蝶に標 識を付け、SRS研究所として、飛 行ルートを研究しています。 昨年10月自坊のフジバカマの花 に7頭のアサギマダラが飛来しまた。 写真を撮ったところ、その内の1 羽に、なぞの記号の入った蝶がい ました。デコ、8/21、SRS 6291、羽の痛みもなく見事な ものでした。研究所に問い合わせ たところ、この蝶は8月21日福 島県北塩原村のグランデコスキー 場で放したもので、54日かけて 同所に辿り着いたものと判明しま した。翌日もまた何頭か飛んでき ましたが、この蝶はいませんでし た。また風に乗って南に向かった のでしょう。無事に故郷に辿り着 いたのでしょうか。長旅に羽は大 丈夫だったでしょうか。現実の社 会情況は、戦争、テロ、殺人事件 等殺伐としたニュースばかりです。 自然災害等に有っては、人の無力 さを強く感じさせられます。 大自然の営みの中で、見過ごして しまいそうなこの出来事に、小さ な儚い命が、想像を絶する力強い 生命力と、地球の上空を吹く風に 乗って移動をするこの神秘に巡り 会ったとき、胸の熱くなるのを感 じました。