自然のなかで、しばし時の迷子になる。心字の池・三十三観音・坐禅石
ここ最勝禅院は観音山と向山に抱かれ自然が息づく静寂の世界です。総門を潜ると禅寺特有の心字の池と太鼓橋、池の築山に学問・芸術の守護神弁財天があります。
消失前は2階建、一対の仁王尊で知られた三門跡、本堂と続きます。本堂の脇には三十三観音、六地蔵が苔むして、本堂裏の御開山吾宝宗璨禅師を祀る開山塔、龍若丸五輪塔があり、近くにはお水取りに使われる翫月渓(かんげつけい)しぼり水場が水が豊かな当院を偲ばせてくれます。
当院に添って小道が続き、蛍が飛ぶ清澄なせせらぎが流れ、木立の中に大きな石が目につきます。ここは開祖様が大勢の弟子と日夜修行をした坐禅石です。自然の音に耳を傾け、心の悟りを開いた場所なのです。当院は自然と静寂を大切に開祖様の心を守り続ける禅寺です。